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自分のやりたいこととは?

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「よかったー!」

そんな風に久しぶりに感動した作品がある。

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2022年のこのマンガがすごい!で選ばれた「海が走るエンドロール」は、たらちねジョンさんの作品である。

注意 ※少しだけネタバレになるのでご了承ください。

登場人物は、65歳にして夫を亡くした未亡人になった主人公のおばあさんがいた。

夫死別をして四十九日がたった頃、の遺品整理をしている時、あるビデオが出てきた。それは、昔に二人でよく観ていた映画だった。

ふと思い出すと、何だか映画館で映画が観たくなり、数十年ぶりに足を運ぶ事になる。

ここまでがこのマンガのあらすじになってくるのだが、読んですぐにビビッとくるものがあった。まずはじめに主人公が何でもないおばあさんであるということ。

そんなおばあさんを主人公にした所でどんな物語が始まるのかと勘繰ってページを捲っていると。

いい意味で期待を裏切ってきた。

65歳という年齢は、一般的にみると何か始めるのには遅すぎるのではないかと言われる。

でも、多くの人は、定年を迎えたら『第二人生だ!』と意気込んでいるものの。

その歳から新しい事を始める人は、あまり少ないように思う。

それは、なぜか?

『もうこの歳だから』『若い人達がいるのに恥ずかしくて』と多くの人が周りの目を気にして、というよりも何かを始めるの躊躇している自分に言い訳をするように諦めているようにも感じしまう部分もある。あくまでも個人の意見であるので少しだけ偏った見方になるもご了承ください。

僕自身が同じように定年を迎えてから何か新しいことを始めるのか?と聞かれると、実際には何にもしていないような気がする。なぜなら、先程のような言葉を並べて自分を納得させているんだろうという事が安易に想像がついてしまうから。

何かきっかけがあればな……と少しばかりまわりに期待している。そんな事を考えている所で時間ばかりが過ぎてしまうのだろう。

結局のところ自分は、周りの目の中でしか生きられないような気もしてきた。

ホントは、自分が好きな事に全力で没入できるようなことに取り組みたいと思っているのに。

この漫画の主人公は、映像専攻の美大生の海という青年に出会う。

そこでその少年から「あなたは、映像を観るのが好きなのでなく、映像を観ている人が好きなんですね」

そこから自分が本当は、作品を作りたい人なんだ。という事が分かる。

僕自身もたまに同じような感覚を覚える時がある。

例えば、一つの映画を観ている時にこの作品はこんなメッセージを伝えたいんだ。僕だったらどんな風にして伝えられるかなと考えたり、

この今の気持ちをどんな言葉にしたらいいんだ。と悩んだりした時に。

これが思っていることが他の人にも伝わるとその人は、どんな反応をするのかなと考えたりとか。

それでも世の中には、数しれない多くの作品が存在するからその中から選んだら?みたいな声も言われそうな気もする。

でも、そうじゃなくて自分が作ったもの観てもらいたいんだ!

そんな承認欲求の塊なのかもしれない。

世間の多くの人が時間に追われる現代において、コスパの悪い承認欲求丸出しの作品をこの世に出した所で評価されないのも仕方がない。

世の中の多くの人は、自分が好きなものや知りたい事よりも自分が知っている人がどんな作品を観ているのか?ばかりを気にして周りに合わせている事の方が多い気がする。

次第に一人が…二人が…三人が…と声が大きい方の意見が正しい事のように聞こえてしまう。

本当に自分がやりたいことが分からなくなるんじゃないの?

僕自身が実際にそうだったからよく分かっているつもりでもある。

本当は、野球がやりたいけど……みんながサッカーだからそれも楽しいし

本当は、ゆっくり本が読みたいのに……折角、誘ってくれたし

なんとなく周りに合わせていた自分がそこにいて、みんなで楽しくやっているはずなのに……

なんだか心だけは、そこにはないような空虚な気持ちになっていた。

本当はちゃんと分かっていたはずなのに。

そんな時に家の中で一人でイラストを描いてたりすると、その絵を描くことだけに集中している自分がいる事に気がついた。その時は、ただひたすらにこの絵を完成させること。この絵からこんなことを見てほしいという気持ちだった。

そうやって考えると僕自身も何かを表現している時が一番幸せな瞬間であるんだなって気づく。

僕もそんな表現出来るような人になりたいというあこがれがある。

でも、この世界には様々な色や形だったり、音だったり、映像だったり多種多様の多く作品が存在する。

その全ての作品に言えるのがその作品を作った人が何かを伝えたくて、多くの時間や労力を費やしてその作品を作り上げたのである。

これだけ多くの作品が存在するのに、その多くの作品が制作した側の意図も伝わらないままで忘れ去られていく事がさみしいなと感じる。

だけどそれは、見る人の自由でありそこに思っている答えを求めること自体が間違っている。

その作品に触れた人がその作品に対してどんな感想抱いて、どんな気持ちになったのかでその作品の価値がまた別のものに変わってくるんだろうな。

自分がいつも時間がない。やることが沢山ある。そのどれもがそんなにも意味がなかったんだって事に気づくのは、まだまだ先のようなだな。

この作品の女性みたいにとりあえずでも飛び込んで見れば、今いる世界すこしでも変えられると思う。

そんな事を多く考えることの出来る作品に出会えて幸せです。

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